雑感

最近自分の研究で海外の DECIPHER というデータベースの恩恵にあずかっているので、Science Commons に少しアンテナが反応します。
疾患に対して、患者さん特有の遺伝子変異や染色体構造異常が pathogenic なものである、という仮説を持つことを想像してみます。
すると同様の症状を持つ別の患者さんから同じ変異や構造異常が見つかっている場合は、上記の仮説が強く支持されます。
逆に健常人の方が同じ変異や構造異常を持っていた場合は否定されます。
以前のBACアレイ解析エントリ にも書いたのですが

DGV(Database of Genomic Variants) は論文中で健常であると表記された構造多型を集めたデータベースであり、DECIPHER は疾患群からの臨床情報と構造異常を集めたデータベースですが GEO からではなくデベロッパーが自分のデータをアップロードしているようです。

今後も染色体構造異常の研究は高密度マイクロアレイにより、データが蓄積され、相互参照がますます重要になると考えています。

と考えています。
単純な考えですが、疾患を起こすような遺伝子の異常を探すことをなるべく容易にするために DECIPHER のようなデータベースが持つ情報量がより増えれば研究自体は加速すると考えています。
ただ対象とするデータが個人の疾病に関する記述であったり遺伝情報そのものという点が他のライフサイエンスのデータと異なる点ですよね。
純粋に研究者としては加速することを望みますが、これからどうなるのかについて興味を持ちつづけることになります。